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日本学術振興会より優れた取組みとして評価をうけました
食生産科学副専攻の教育プログラムが、日本学術振興会から優れた取組みとして評価をうけました。
平成21年から23年度までの3年間、文部科学省推進事業(大学教育推進プログラム【テーマA】)として、この食の教育プログラムは実施されてきました。その3年間の取組みが日本学術振興会の状況調査の結果、優れた取組みとして評価をうけました。
~日本学術振興会の調査について~
平成21年度大学教育推進プログラム【テーマA】に選定された取組96件について、3年間の財政支援期間終了後の翌年度(2年間の取組については翌々年度)に状況調査を実施することとしている。96件全ての取組について書面調査を実施し、その中から特に優れており波及効果が見込まれると判断される取組を選定し、選定された取組については、その取組の内容を詳細に把握し、波及効果があると認められた取組について周知することを目的として、現地調査を実施した。※状況調査結果報告書より抜粋
~取組みの評価~
●取組の成果
獣医養成の極めてタイトなカリキュラムである応用動物科学と、ある意味で一般的なカリキュラム構造の応用植物科学で共通プログラムを運用することには少なからぬ困難があったことが想像されるが、両分野の教員間の緊密な連携により良い成果が得られている。学生間の交流の成果のみならず、本取組により教員間の交流が促進されていることは極めて重要な成果である。
学生からの聞き取り調査からは、他大学(神戸大学)での実習体験が良い導入体験となっていること、また、中国、タイ、オーストラリアでの海外演習が学生のモチベーション維持に有効に働いていることが窺われ、座学だけでは得られない貴重な経験が、本取組がその意図に沿った学習成果をあげる上で、所期の目的に適う機能を果たしていることと思われる。
平成24年4月から、大阪府立大学ではより幅広い学問領域を示す学域・学類制へと学部教育体制が再編されたが、その中で、本取組を基礎に、学域内副専攻「食生産科学プログラム」をスタートさせたことは、この取組を一定の教育的枠組の中に位置づけたという意味で評価で
きる。また、財政支援期間中に設備導入やプログラム開発を着実に行っており、その資産の上に、支援期間終了後も、人件費などの経常経費が各種裁量経費で支援されており、取組の継続性と今後の発展が期待される。
●大学等の教育への波及効果
異なる構造と性質を持つ学科の間に副専攻という形の共通のサブカリキュラムを作ることにより、新たな教育的要素を持ち込むことに成功している例である。
応用動物科学(獣医学)と応用植物科学(農学)という組み合わせでの協働は、獣医学の教育が明確な資格課程であることを考えると、それほど容易なことではないので、本取組内容そのものが他の大学で応用されることは難しいと思われるが、今後、各方面で複合的な教育が必要となってくることを踏まえると、より一般的な意味での「学科間での協働」という観点での先行事例として、他への波及効果が期待される。また、主専攻プログラムと副専攻プログラムの有機的関係のモデルとしても波及効果があるものと思われる。