実習体験記

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令和元年度 食料生産実習体験記#2

獣医学類の1年生が食料生産実習の体験記を執筆してくれました!

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今回私たちは92日から4日にかけて神戸大学大学院農学研究科付属食資源教育研究センターというところで、牛舎を見学し、実際に生産現場を体験してきました。

      

実習中の一日は給餌で始まり給餌で終わります。餌を持って近づくと、頭を振って餌が欲しいアピールをしてきます。餌は粗飼料と濃厚飼料があり、粗飼料とは草やわら類、濃厚飼料とは穀類や油粕類のことです。とても香ばしい香りがします。牛にも好き嫌いがあり、粗飼料を横にのけて濃厚飼料の方を好んで食べる牛もいました。無理やり口まで持っていき食べさせました(笑)。左が粗飼料、右が濃厚飼料を食べている牛です。

      

1日目

施設に到着後、職員の方に牛舎の案内をしてもらいました。牛舎は予想したほどにはにおいはせず、牛の鳴き声が響いていました。午後からは牛の歴史や和牛についての説明を聞きました。牛は繁殖部門と肥育部門に分かれます。繁殖部門では人工授精が行われたり、雌牛の発情が見られたりします。肥育部門では枝肉の格付が行われます。そのため肥育期間の前期、中期、後期で餌の種類と量を変え、高品質な肉に仕上がるように工夫されています。次に牛のブラシと散歩をしました。牛はお風呂に入らないので、ブラシをして毛を落としきれいにします。ブラシは牛とスキンシップをすることでお互いを理解し合う大切な時間でもあります。散歩とは言っても、雑草ばかり食べてあまり歩いてくれませんでした。最後に妊娠鑑定を行いました。まずは直腸に手を入れ、フンをかき出します。次に手探りで子宮の場所を確認します。最後にエコーを使って中の様子を映し出すため、腸壁にカメラを押し当てるようにしてコードごと子宮に向かって少しずつ奥へ奥へと入れていきます。うまくいけば、子宮の中に胎子が映っているのが見えます。直腸の中はサウナ状態でドロドロしています。少し出血してしまったので牛が痛くはないのか心配でしたが、静かに動かずにいてくれました。直腸に手を入れるので最初はためらいましたが、そこまで怖くはありません。

2日目

午前中は牛体測定と鼻紋採取をしました。牛体測定では、体高や体長など合わせて10か所を測定しました。牛の体は大きいので1か所を測るのも大変でした。鼻紋採取では、牛の鼻にインクを塗り、紙で押さえてとります。牛はすぐに鼻をなめてしまうので素早く行います。牛は指紋をとれないので代わりに鼻紋をとります。午後からはトラクターと耕耘機を運転しました。操作は車と似ていて難しくはありませんでした。ボタン1つで草を刈ることができます。運転の順番待ちの間に牛舎の屋根裏部屋に行きました。わらがたくさん積んであり、隠れ家のような場所でした。いいショットもとれました。この日はみんなでBBQをしました。材料は近くの業スーで調達してきました。肉や野菜はもちろんおいしかったですが、神戸大学の方からいただいた梨とマスカットが最高でした。ごちそうさまでした

      

3日目

午前中は牛の体重測定をしました。お尻を押して測定台に乗るのを促したり、手を叩いて牛舎に追い込んだりしました。なんと1日1㎏も増加している牛もいました。さすがに太りすぎではないでしょうか?途中で雨が降ってきましたが、レインコートを着て突破しました。午後からは無事晴れたので里山散策をしました。先生はわざわざ長野県からお越しいただきました。ユーモアがあり元気いっぱいの先生で面白かったです。野草の観察をしに神戸大学の敷地を歩き回りました。いろいろな植物や生き物に出会いました。匂いを嗅いだり食べてみたりと五感をフル活用しました。映えスポットで写真を撮ったり、防空壕に入ったりと楽しかったです。

この実習を通して、まずは牛と職員の方やそれに関わる方に感謝しなければならないと思いました。牛たちは毎日決められた時間に決められた量の餌を食べ、規則正しく生活しています。職員の方はたくさんの牛を心を込めて世話し、常に体調を気遣っています。そして私たちが安心して食べられるように徹底した管理がなされています。食卓に並ぶまで多くの人の懸命な努力でつながっているのだと改めて実感できました。この体験記を読んで、少しでも牛やその流通に興味をもってもらえるとうれしいです。余談ですが、機会があれば牛肉のパックに貼ってあるシールを見てほしいです。ここに個体識別番号が書いてあり、ネットで検索するとその牛の個体情報を閲覧することができます。面白いのでまたやってみてください。最後になりましたが、このような貴重な体験をさせていただいて本当にありがとうございました。