実習体験記
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令和3年度 食料生産実習体験記#2
獣医学類の1年生も食料生産実習の体験記を執筆してくれました!
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【目次】
1. 実習スケジュールについて
2.実習の中身
3.実習を終えて
1.実習スケジュールについて
9月13日 | 午前 | 実習ガイダンス・牛舎、施設案内 |
午後 | 牛の基本Ⅰ、牛の給餌 | |
9月15日 | 午前 | 農作業機器の操作 |
午後 | 牛の体重測定 |
*牛の基本Ⅰ:牛の取り扱い、体型測定、鼻紋採取
以上が、大まかな実習スケジュールになります。ここから詳しくご紹介していきます!
2.実習の中身
1日目
中百舌鳥キャンパスを出発し、バスにゆれること約2時間。
今回お世話になる神戸大学大学院農学研究科附属食資源教育研究センターに到着しました。
ここでは畜産から畑作、果樹園、水田まで管理しており、その面積は約40haで、これはなんと大阪府立大学の三つのキャンパスの所有面積を合わせた広さと同じぐらいになります。
実習ガイダンスを行った後、いよいよ目的の牛たちと対面です!
(牛舎内で説明を受ける様子)
~牛の基本Ⅰ~
牛たちとのご対面がある程度終わった後、牛の取り扱いについて教えて頂きました。
①牛の扱い方
牛を思い通りの方向に移動させるとき、牛の鼻輪に通した縄を引っ張って動かします。しかし牛たちはたいてい牛舎の中にいるので、外に出ると、喜んで好きな方向に進んでしまいます。ちょっと進んでは道草を食べ、ちょっと進んでは道草を食べの繰り返しで、目的の放牧地付近まで移動させるだけでも一苦労でした。
ある程度散歩が終わると柵があるところに移動させ、柵に縄を繋げます。牛の基本ではこの縄の結び方がかなり重要です。牛を扱う前に何度か結ぶ練習しました。
さて散歩を終えた牛たちを柵に留めた後、次に行うのはブラッシングです。この際、のこぎりのようにギザギザとした牛用のくしを用います。牛の毛にはノミやハエ、アブのように様々な害虫が潜んでいるので強めにしっかりブラッシングする事がポイントです。特に肩の下あたり、首のあたりをブラッシングしてやるととてもおとなしくなりました。
②鼻紋採取
鼻紋とは人間でいう指紋のようなもの。肉眼では区別しにくいのですが、下の写真のように
紙に写し取ってみると、一頭一頭全く異なっており面白いなと感じました。牛の鼻紋採取は、若齢期にも行われており、幼齢の牛と成長した牛が一致しているかを確認するための大切な作業です。採取は墨汁をローラーにつけて牛の鼻に塗り、牛が舐めとってしまう前に素早く紙に写し取るというような感じで行います。牛をおさえる人、墨汁を塗る人、紙に写し取る人で役割分担して鼻紋を採取していきます。
右図は実際の鼻紋です。
~牛の給餌~
今回給餌を行ったのは、実習の後半のみですが、本来の二泊三日では一日の始まりと終わりに行う工程になります。
粗飼料、濃厚飼料、補助飼料等々…牛の月齢や生育状態に合わせて、適切な量の飼料で管理されています。粗飼料はいわゆる干し草で右図のように、ラップで密閉した状態で保存しています。こうすることによって雨風も凌ぐことができ、また好気性のカビが生えにくくなるのです。
飼料の中には、栄養を補給する目的のほかに、牛の食欲を促進する役割を持つものがあるということが印象的でした。サトウキビの搾りかすを発酵させたもの(バガスと言います)で、牛にとってはとてもいい香りなのだそうです。一方人間にとってはかなりの刺激臭なので、直に匂いを吸い込んでしまわないように…
2日目
基本的に給餌は同じです。この日行った印象的な実習は、主にトラクターの運転と、牛の体重測定です。
~農作業機器の操作~
免許を持っていない自分にとっては初めての運転でした。まさか人生初がトラクターとは。
どれほどクラッチペダルを慎重に離しても、ドンと、強めの衝撃が起こります。速度はかなりゆっくりなので、最初の衝撃の心づもりだけしていれば、あとの運転は大丈夫だと思います。
~牛の体重測定~
そして実習の最後は牛の体重測定です。牛の追い込み班、体重記録班、その間に牛房を掃除する班に分かれて行います。驚くことに熟練の生産者の方たちは牛を見るだけで、大体の体重がわかるそうです。私たちも実習の最終テストとして、体重予想を行ったのですが、一番近い人でも30キロ差でした。つくづくこれを当てる農家さんたちは凄いなと実感しました。(ちなみにニアピンで当てたヒトには、除角で切った牛の角が記念品として贈呈されました。)
3.実習を終えて
縄の扱い方から始まり、牛の散歩、ブラッシング、体型測定、給餌、トラクター操作、体重測定などなど、日常では経験できない貴重な体験が盛りだくさんだった今回の実習。課外活動が難しい今のご時世で、何とか無事に実習を行えて本当に良かった、本当にありがたいなと感じています。
この体験記を読んで実習に興味が湧いた、参加したいと思ってくれた方が一人でもいれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!